電車の中でふらついたときや、街を歩いている際に、周りの人にぶつかってしまうことがありますが、
そんなときに、「なにすんだよ」とキレられたり、「チッ」と舌打ちをされた経験はないでしょうか。
ただ単に難癖をつけているだけの人もいますが、
人によっては本当に「わざとやられた」と思っている人もいるのです。
今回は
「偶然のできごとに悪意を感じてしまうのはなぜなのか」
ということについて紹介して見ようと思います。
敵意帰属バイアスとは?「悪意がある」と感じてしまう理由を知ろう
敵意帰属バイアスとは、相手にされた行為を、「悪意」や「敵意」があると考えてしまう心理傾向のことです。
電車が揺れたのが原因でふらついてぶつかっただけなのに、
「わざとぶつかってきた」
と思ってしまったり、
ただ質問をしただけなのに、
「嫌味を言われた」「自分のことを否定された」
などと考えてしまったりします。
極端な言い方をすると、被害妄想のことですね。
敵意帰属バイアスが強いのはどういう人?
敵意帰属バイアスが強いのは、どういう人なのでしょうか。
社会心理学者のクリックとドッジの研究によると、
攻撃性の高い子供ほど、敵意帰属バイアス傾向が強く、
成長し、年齢を重ねるにつれて敵意帰属バイアス傾向が弱まって行く、
ということが言われています。
敵意帰属バイアスの原因は?
敵意帰属バイアスの原因は、簡単に言えば認知の歪みです。
私達が、周りの行動に反応をする際は、
- 何をされた?
- 何故された?
などを考え、推測して行動を決定していますが、この
何故された?という相手の意図を推測する段階で誤りがあると、
敵意帰属バイアスが出やすくなります。
実際、明らかに偶然(うっかり)の場合や、明らかに故意(わざと)の場合はよりも、
偶然とも故意とも考えられる状況、つまり「相手の意図が推測し辛い状況」のほうが、
「相手はわざとやった」と考えることがが多いことがわかっています。
敵意帰属バイアスの対処法とは?
敵意帰属バイアスに対処し、上手に付き合って行くにはどうすればよいのでしょうか。
子供の敵意帰属バイアスをなくすためには?
上でも紹介した通り、
攻撃性の高い子供ほど、敵意帰属バイアス傾向が強く、
成長し、年齢を重ねるにつれて敵意帰属バイアス傾向が弱まって行く
という傾向があるため、いろいろな経験をしていくうちに自然に減少していくものです。
もちろん、日頃から子供と対話し、
「○○くんはワザとやったんじゃないんだから、怒らないであげてね」
などのように、「わざとではない」ということを説明して、
納得させることで、矯正していくことも可能です。
自分の敵意帰属バイアスとの付き合い方
もし「すぐにイラッとしてしまう」、「悪意があると思いやすい」という自覚があるならば、
まずは「ひと呼吸おく」ということを心がけて見ましょう。
なにかあったときに、常にひと呼吸おいて
「わざとじゃなくて偶然かもしれない」ということを考えるようにするだけで、
怒りに身を任せて行動してしまい、後悔することは減らせるはずです。
まとめ
今回は、「敵意帰属バイアスとは?「悪意がある」と感じてしまう理由を知ろう」
ということで、「敵意帰属バイアス」いわゆる「被害妄想」について紹介してみました。