皆さんは、なにか課題に直面したとき、
「これは自分には難しい」や、「この量はむりだ」などと考え、諦めてしまったことはないでしょうか。
今回は、そんな人にぜひ知ってもらいたい、「セルフ・エフィカシー」について話してみようと思います。
セルフ・エフィカシーとは?
「セルフ・エフィカシー」とは、簡単に言うと、「自分はできる」という自信・感覚のようなものです。
日本語では「自己効力感」とも呼ばれます。
例えば、英単語を1000個覚える、と考えると気が遠くなり、とうてい無理な気がしてしまうかもしれません。
しかし、1日3単語ずつ1年間かけて覚える、と考えると、案外できそうな気がします。
このように「自分でもできる・やれる」という感覚が「セルフ・エフィカシー」と呼ばれるものです。
つまり、「セルフ・エフィカシー」の高い人(自分に自信がある人)は、
積極的に新しいことに挑戦できる上、思考もポジティブになっていきます。
逆に、「セルフ・エフィカシー」の低い人(自分に自信がない人)は、
挑戦することに消極的になり、思考もネガティブになっていきます。
セルフ・エフィカシーを高める方法
セルフ・エフィカシーを高めることが、良い効果をもたらすことはわかりました。
では、セルフ・エフィカシーを高くするには、どうすればよいのでしょうか。
カナダの心理学者、アルバート・パンデューラは、次の4つの方法があるとしています。
まず、第一が「達成体験」です。
達成体験とは、自分が実際に達成を体験することです。
大学入試を例にすると、模試や過去問で良い点数、良い判定が出ると、「これなら行けそう!」と自信が付きますよね。
第二に、「代理体験」というものがあります。
代理体験とは、他人の達成体験を、見いたり聞いたりすることです。
大学入試の例だと、身近な先輩の合格体験談を聞くことで、「自分も行けるかも?」という気がしてきます。
第三に、「言語的説得」というものがあります。
言語的説得とは、自分が「できる」ということを周囲から言葉を通して伝えられることです。
大学入試の例だと、学校や塾の先生、先輩などから「お前なら余裕だ!」などと言われると、「大丈夫かも!」という気がしてきます。
第四に、「生理的情緒的高揚」というものがあります。
生理的情緒的高揚とは、リラックスや、アルコール摂取状態など、気分が高揚する状態のことです。
大学入試の例だと、試験当日の睡眠の質がよく、スッキリ目覚めてリラックスできたことで、「今日はいけそう!」という気がしてきます。
セルフ・エフィカシーの向上の応用
上記で紹介したセルフ・エフィカシーを高める方法は、子供の勉強のモチベーションを上げたり、会社で部下のパフォーマンスを引き出したりすることに使えます。
勉強が苦手な子供には、簡単な問題を多く解かせて、「やってみれば解ける!」という感覚を植え付けることが大切です。
部下がパフォーマンスを発揮できていない場合は、その部下に期待しているということを伝えたり、タスクを細分化して見通しを良くすることが大切です。
また、恋愛などに応用することも可能です。
意中の異性とうまく話せるか自信がないときは、
事前に他の異性とコミュニケーションを取って楽しく会話をする経験をしておくのがベストです。
また、そもそも異性とのコミュニケーションを取る自信がない人は、
身体を鍛える、オシャレに気を使うなどして、見た目を変化させるのも効果的です。
身体的な変化や、自分で自分をコントロールできているという事実が自信に繋がります。
まとめ
セルフ・エフィカシー(自己効力感)を高めることによって、ポジティブに行動することができるようになります。
まずは、そのセルフ・エフィカシーを作り出す方法について知り、それにつながるような行動を心がけることが大事です。
「自分はやれる・できる」という感覚を大切にして、頑張っていきましょう!