今回は、多くの人が陥ってしまいがちで、
本人の成長に悪影響を及ぼすだけでなく、周りからの評価も下げてしまう、
厄介な心理効果「セルフ・ハンディキャッピング」を紹介します。
セルフ・ハンディキャッピングとは
「セルフ・ハンディキャッピング」とは、簡単に言うと
失敗したときに理由付けができるようにし、自分を守るための予防線を張る行為のことです。
例えば、学生時代などに、
翌日テストがあるにもかかわらず、友達と遊びにいってしまったり、
息抜きと言いつつ漫画を読み始めてしまったりした経験はないでしょうか。
また、
「やべー、今日テストなのに全然勉強してないわ・・・」
などと、自分の勉強不足をアピールしてきた人を見たことはないでしょうか。
前者のように、「テスト勉強が不十分な状況」を自ら作り出すことでハンディキャップを得て
テストの点数が悪かったことに言い訳ができるようにしたり、自分が落ち込まないようにする行為を、
「獲得的セルフ・ハンディキャッピング」といいます。
そして、後者のように、「テスト勉強が不十分であること」を周りにアピールすることで、
テストの点数が悪かったことで周りからの評価が下がらないようにし、
テストの点数が良かったときに周りからの評価が高まるようにする行為を、
「主張的セルフ・ハンディキャッピング」といいます。
セルフ・ハンディキャッピングの効果
「セルフ・ハンディキャッピング」は、直面した事柄に自信がないときや不安なとき、
それを失敗したことによって自分が傷つくことを避ける効果があります。
自分の能力が不足しているからではなく、ハンディキャップがあったから失敗した、と自分を納得させることができるからですね。
これらは、自分の心を守るための心の機構であるため、
無意識に働いてしまい、自分の行為に気づいていない、自覚がない可能性もあるのが厄介なところです。
しかし、周りから見ると「向上心がない」「何事も真剣に取り組めない」
と、悪評がつく可能性が高いので、克服しておきたいですね。
セルフ・ハンディキャッピングの対策
そういう人におすすめの対策がいくつかあります。
まず第一におすすめなのが、宣言すること。
コミットメントの法則という心理効果を利用した対策なんですが、
家族や友人に、事前に目標(テストであれば点数など)を宣言しておくことが有効です。
簡単に言えば、友人にチェック機構の役目を果たしてもらう、ということですね。
まとめ
ということで、セルフ・ハンディキャッピングについて説明してみました。
多くの人が陥ってしまいがちな心理現象ですし、
周りで目にする機会も多いので、知っておくだけでも無駄にはならないでしょう。
まずは、自分を甘やかしすぎないことですね。