ドア・イン・ザ・フェイスとは?譲歩を使って要求を通すテクニック!
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは?
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、簡単に説明すると、
「承諾させたい要求よりも高い要求をして、拒否されたら「譲歩」の形を取って、要求を本来のものに下げる」
というものです。
日本語では、譲歩的要請法と呼ばれているテクニックで、
人の心理を利用した交渉術として有名で、ビジネス書などでも頻繁にとりあげられていることが多くあります。
ドア・イン・ザ・フェイスについて、これでもか!というぐらい詳細に事例を述べている本として
『影響力の武器』
という書籍がありますが、そちらでは、「拒否したら譲歩法」という表現を用いてありました。
ドア・イン・ザ・フェイスのしくみ
このテクニックが効果を発揮するのは、
- 先に高い要求を出すことで、後に出す本来の要求が「まあそのぐらいだったら」と思える容易な要求になる(コントラスト効果)
- 一旦拒否させ、こちらが譲歩を行うことで、相手方も「相手が譲歩してくれたのだから」と思い、承諾しやすくなる(返報性の原理)
という仕組みによるものです。
コントラスト効果ももちろんですが、返報性の原理を利用したコミュニケーションや承諾誘導のテクニックは非常に強力なので、
そのうち詳しく記事にしたいと思います。
ドア・イン・ザ・フェイスの例
極端な例でいうと、下記のようなものです。
A:「10000円貸してくれ!」
B:「いやだよ」
A:「じゃあ2000円貸してくれ!」
B:「しかたないな」
もともと2000円借りるつもりで、一度10000円という、「拒否される要求」をだし、
拒否されてから本来の要求に切り替える、という方法ですね。
もちろん、こんなスムーズに行かないこともありますが、
『影響力の武器』の中で紹介されている事例の中には、これよりももっと大きな承諾誘導が成功した例もありました。
通常の生活の中で利用することを考えると、買い物の際の値切り交渉のような場面が一番使いやすいかもしれません。
例はお金に関するものでしたが、通常に会う約束をとりつける際にも用いることができます。
A:「今晩、飲みに行かない?」
B:「ごめん、ちょっとむり」
A:「じゃあ、土曜日は?」
B:「その日だったら・・・」
このパターンの場合、譲歩というより、別日を提案しただけに思えますが、
「今晩」という希望をあきらめて、別の日でもいいよ、としているので、譲歩になっています。
ドア・イン・ザ・フェイスの由来
ちなみに・・・
ドア・イン・ザ・フェイスはもちろん、英語で「Door in the face」と書くわけですが、
そのまま訳してしまうと「顔の中の扉」のようになるので意味不明ですよね。
勘違いをしているサイトの解説だと、
ドアが開いたらいきなり顔を突っ込む動作に由来する
などと書かれていますが、
本来は「shut the door in the face」もしくは「slam the door in the face」といった、
目の前で扉を閉める(門前払いする)
という意味の熟語から来ています。
まとめ
さて、「心理術入門」として最初にドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを紹介してみました。
すごく強力なテクニックですし、普段の生活の中でも何気なく使われていることの多いテクニックです。
「あの時の会話はこれだったのでは?」と考えてみるのも、今後に役に立つかもしれません。